妄想創作家さんに50のお題+α
06 ちょっと待って!
寝坊した。
目を覚ましたのは、待ち合わせの15分前。
さーーーっと顔から血の気が引く。
大慌てで身支度して、うちを出たのは待ち合わせの5分前。
空でも飛べなきゃ間に合わない。
走りながら電話を入れて、ごめん、ごめんねって謝る。
電話の向こうから聞こえるのは、呆れたような声。
「わかったって。 待ってるから、歩いてきな」
そんなこと言っても、待ち合わせ場所にはどう急いでも30分はかかる。
なんで、よりにもよって今日寝坊しちゃうのよぉぉ。
「ご…ごめ…ごめん…」
「歩いていいって言ったのに」
息を切らせて謝る私に、彼は呆れたように言う。
見上げた私は、きっとすごく情けない顔してるんだろうな。
「………怒ってる?」
「そーだなぁ」
上目遣いで聞いたら、顎に手をあてて考える素振り。
「んじゃ、罰として…」
なんて、右手のこぶしを左手で包んで、ぼきぼきっと指を鳴らす。
え…えぇぇ?!なに?!
ちょっと待って!
ぎゅっと目を閉じて首をすくめた私を、彼はコツン、と軽く小突く。
あ…あれ?
びっくりして顔を上げたら、いきなり頬にキスされた。
ひゃぁぁぁ・・・っ
びっくりに次ぐびっくりで真っ赤になった私にへへっと笑って、彼は私に手を差し出す。
「今日は遅れた分もまとめて楽しもうぜ」
そろそろと手を握った私にそう言って、彼はいきなり走り出した。
☆歌里さんからのお題が届きました♪
ほんと、ありがとうございます、歌里さん♪
思わず「ふふふっ」と笑ってしまいます(笑)
え? なぜって?
ヒロインが可愛くて、彼がおちゃめで、シーンを想像すると、
楽しい気分になっちゃうからです(笑)
またよろしくお願いしますね♪